「アルバイト先の飲食店から正社員にならないか誘われている」
「料理や接客が好きで飲食業界に転職しようか迷っている」
このような理由から飲食業界で正社員として働こうか迷っているという人は多いでしょう。
そんなときに気になるのが『飲食店で正社員として働くのはキツイ...』『過酷』『地獄』『労働環境がブラック』などのネガティブなイメージです。
では実際のところ働く環境や評判はどうなのでしょうか?
今回の記事では『飲食店の正社員がキツいと言われる理由や飲食店の正社員が向いている人の特徴』などについて話していきたいと思います。
今回話す内容は以下の通りです。
この記事の内容
- 飲食店の正社員がキツいと言われる理由
- 飲食店への転職はおすすめ?避けたほうが良い?
- 飲食店の正社員が向いている人の特徴
- 飲食業界への転職のポイント
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飲食店の正社員がキツいと言われる理由
飲食店で正社員として働くことがキツいと言われるのにはいくつかの理由があります。
主には下記のような理由が挙げられるでしょう。
順番に解説していきます。
飲食店(正社員)がキツいと言われる理由
- 給与が少ない
- 休みが少ない
- 勤務時間が長い
- 生活リズムが不規則
- 立ち仕事で身体的負担が大きい
- 業務内容が多岐にわたる
- 売上ノルマがある
- クレーム対応が発生する
1.給与が少ない
業界全体の傾向として、飲食店の正社員給与は低いとされています。
その理由としては、食材原価や調理コスト、店舗の家賃、人件費など店舗を維持するために必要な費用が高額なため利益率が低くなり、従業員に還元できる給与も低くなっているという背景があります。
実際、大手転職サイトを運営しているdodaが公表した『業種別の平均年収ランキング』では小売/外食は平均年収359万円と他の業種を下回る結果となっていました。
また、小売/外食カテゴリー内でも『自動車ディーラー』(421万円)や『通信販売』(382万円)などが平均を高めており、『居酒屋/バー』に絞ると更に353万円、『レストラン』だと350万円まで下がってしまいます。
業界 | 平均年収 |
---|---|
メーカー | 469万円 |
金融 | 466万円 |
総合商社 | 464万円 |
IT / 通信 | 446万円 |
建設 / プラント / 不動産 | 432万円 |
専門商社 | 424万円 |
インターネット / 広告 / メディア | 423万円 |
メディカル | 408万円 |
サービス | 377万円 |
小売 / 外食 | 359万円 |
2.休みが少ない
給与の低さと同じくらい『飲食=キツい』の代名詞に挙げられる理由が休日の少なさです。
基本的には週休2日ですが、タイミングによっては週1日しか休めなかったり長期で連勤が続くこともあるようです。
また、飲食店の正社員は基本的に平日休みになります。
そのため土日休みの友人と予定を合わせたり、土日開催のイベントに参加しづらいなどの弊害も考えられるでしょう。
学生などのアルバイトを採用している店舗の場合は、アルバイトの急な欠勤や人手不足で代わりに正社員が急遽出勤するというケースもよくあります。
そういった際は代休を取得することが可能ですが、基本的にシフト制で働いているため代休取得日についてはある程度制約があるでしょう。
3.勤務時間が長い
休日が少ないだけでなく、出勤日の勤務時間が長いことも飲食店で働く正社員の特徴です。
営業時間だけでなく、前段階の仕込みや後片付けなど、営業時間外でもやるべき業務は多いため、本来の実働時間よりも実際に働いている時間は多くなりがちという現状があります。
営業時間が昼と夜のどちらもある店舗は特に業務が多い傾向があり、営業が夜のみもしくは昼のみの店舗の方が業務工数は少なくなる傾向があるようです。
4.生活リズムが不規則
営業後の片づけや翌日の仕込みを行っていると、帰るのが深夜になることも....
基本的に飲食店の働き方はシフト制になるため、連勤数も不規則になりがちです。
昼営業と夜営業のどちらも行っている店舗の場合、日によって勤務時間がガラッと変わってしまうため、更に不規則になってしまう可能性がありますね。
5.立ち仕事で身体的負担が大きい
飲食店で働く場合、基本的にはずっと立ちっぱなしになります。
また、食材の運搬や調理の際に重量物を扱うことがあったり、日々の業務中で立ったりかがんだりを繰り返すことも多く身体的な負担がかかりがちです。
休日や勤務時間の長さなどとも総合的に考えると、体力に自信のある人が向いている業界と言えるでしょう。
6.業務内容が多岐にわたる
アルバイトであれば業務内容は比較的単純なものが多いかもしれませんが、正社員となると話は変わります。
特に店長などのマネジメント職になると、売上やマネジメントなど経営的視点も必要になるでしょう。
売上や利益の計算は数字的な観点、スタッフマネジメントは感情に寄り添う視点と、それぞれ必要とされる能力が異なるため、慣れるまでは大変なポイントとなるでしょう。
7.売上ノルマがある
アルバイトであればそこまで気にする必要はないかもしれませんが、正社員となると売上もシビアに追っていかなければいけません。
数字次第では改善策や新たなアイディアを考えなければいけない場合もあります。
「今月予算まであと〇日で△万円だから...」と日々数字を追う必要があります。
※これは飲食店に限らず営業職や販売職なども同様ですね。
8.クレーム対応が発生する
店舗で発生したクレーム対応は基本的に正社員が行います。
店舗によりますが飲食店でのクレームというのは少なくないため、精神的に消耗する可能性があるでしょう。
また、居酒屋など酒類を提供する店舗の場合、更にそういった対応の数は増えます。
クレームをある程度受け流す図太さと、柔軟なコミュニケーション力が求められますね。
飲食店への転職はおすすめ?避けたほうが良い?
結論としては、飲食業界に熱い意欲や想いがあるなら転職するのは良いと思います。
ですが、やりたいことがなかったり、なんとなくで転職(就職)するのであれば飲食業界はおすすめしません。
前の章でも話した通りですが、飲食店で正社員として働くのはかなりハードです。
ですが、そんな環境下で長く正社員として働いている人の特徴が1つあります。
それは、飲食業が好きであり、自分の仕事に誇りを持っていることです。
労働条件や環境、待遇で言えば、正直も飲食店よりも優れた環境はあると思います。
ですが、そんな中で飲食店の正社員という仕事を選んで活躍している人たちは、給与や待遇以上に『料理を極めたい』『人の喜ぶ顔を見るのが好き』といったやりがいを魅力に感じています。
そのため、飲食業界や料理に対して熱意を持てる人でないと、正社員として長く働くことは難しいと言えるでしょう。
ちなみに、飲食店の中でも「このジャンルなら比較的楽かも...」は基本的にないと思った方が良いでしょう。
居酒屋は勿論、カフェ、レストラン、ラーメン屋、パン屋など、どのジャンルも同様にハードな環境だと言えるでしょう。
飲食店の正社員が向いている人の特徴
前の章で『飲食業界に熱い想いや意欲がある人は飲食業界へ転職するのも良い』と話しました。
ここからは、更に具体的に『どんな人が飲食店の正社員に向いているのか』について転職のポイントと合わせて話していきたいと思います。
飲食店の正社員に向いている人
- 飲食店に携わりたいという気持ちが強い人
- 将来飲食店を開業したい人
- 学歴に左右されず手に職をつけたい人
1.飲食店に携わりたいという気持ちが強い人
前述しましたが、何より大切なのは飲食業に対する気持ちです。
損得勘定や待遇を重要視している人で飲食店の正社員として長く勤めあげられる人はほとんどいないでしょう。
『その店舗(会社)でどんなことがしたいのか』『なぜ飲食店の正社員として働くのか』を冷静に考えてみましょう。
その上で働きたい理由があるのなら、それはとても素敵な志望理由になると思います。
また、飲食業界への関わり方は飲食店の正社員だけではありません。
飲食店を対象とするサービスを提供している企業は沢山ありますし、そういった企業に入社し、飲食店に対して営業を行うのも飲食業界に携わっていると言えるでしょう。
『自分が叶えたい想いは飲食店の正社員じゃないと叶えられないのか?』という視点を持つのも大切ですね。
2.将来飲食店を開業したい人
「将来自分のお店を持ちたい」「飲食店を開業したい」という人は、一度飲食店で正社員として働いてみるのも良いでしょう。
正社員として働くことで、アルバイトでは経験できない領域の業務を経験することができ、自身での開業時にも活かすことができます。
特に飲食業の経験がない人が飲食店の開業を目指す場合、想像と現実に大きな乖離がある可能性があります。
利益率や業務量、生活サイクルなどをあらかじめ経験することで、自身の開業時にギャップが起こらないよう備えることができますし、従業員を雇用する際にも、自身が雇用される側の経験を持っておくことでマネジメントの精度も高まることでしょう。
そのため、将来独立や開業を見越して働く場合は、なるべく業態やジャンルが近い飲食店(企業)で働くことが重要です。
また選考の時点で、将来的に独立の意志があることは伝えておきましょう。
独立の意志を隠して同業種で働くのは、独立に必要なノウハウをこっそり吸収していることになるので、あまり印象の良いものではありません。
3.学歴に左右されず手に職をつけたい人
飲食店の正社員は基本的に学歴は気にしない傾向があり、中には最終学歴中卒の正社員が活躍している店舗(企業)も珍しくありません。
業界的に学歴よりもスキルや人柄などが重要視されるのです。
そして、スキルがあると認められれば方々から独立や引き抜きの誘いが増えてきます。
このように学歴よりも自身の能力次第で給与や役職を駆け上がることができる点は飲食業界の大きな魅力と言えるでしょう。
様々な分野でAI化が進み、人間の仕事が減っていくと言われている昨今。
飲食店の従業員というのは、機械に代わられない意義のある仕事です。
『学歴には自信がないけど手に職をつけて中長期的に活躍したい』という人にはおすすめできる業界です。
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まとめ
以上、【飲食店の正社員ってキツい?】向いてる人の特徴や転職のポイントを一挙解説します!でした。
飲食店の正社員に少しでも興味を持っているということは、飲食業に対して何かしらの楽しさや希望を抱いているということだと思います。
僕は様々な方の転職サポートを行ってきましたが、そういった想いを持っているというのはとても希少なことですし、素晴らしいことです。
もちろん給与や待遇などの現実的な要素との兼ね合いにはなると思いますが、もし真剣に飲食業界に興味があるなら飛び込んでみてもいいのではないでしょうか。
飛び込んでみて初めて分かることもありますし、もし思っていたものと違ったとしても、そこでの経験はその先のキャリアで必ず活かすことができるでしょう◎
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