昔はごくごく一般的だった『社員旅行』という文化。
ですが、ゆとり世代やさとり世代と呼ばれる20~30代の若手社員が入社し始めた2000年代後半から風向きが変わり始めました。
「社員旅行に行きたくない」
「社員旅行は必要ないんじゃないか」
「休日に強制参加の社員旅行はキツイ」
こんな声が目立つようになり始めましたよね。
社員旅行についての捉え方は年代や役職によって大きく違いがあります。
今まで社員旅行に行くのが当たり前だった年配層や管理職は賛成派が多く、20代30代を中心とする若手社員は反対派が多くなっています。
この記事を読んでいる方の中には「若手社員から社員旅行を嫌がる声が上がってるけどどうしよう...」と悩んでいる管理職の方も多いことでしょう。
今回はそんな方に向けて、『社員旅行をどのように扱うべきなのか』『取りやめる代わりにどんな制度を導入すると社員は喜ぶのか』について話したいと思います。
この記事で下記のポイントについて話していきます。
この記事の内容
- 社員旅行が嫌がられる理由
- 社員旅行は行うべきなのか
- 社員旅行の代わりとしてオススメの施策
社員旅行を嫌がる理由
「なんで社員旅行に行きたくないの?」
こんな風に直接聞いても正直な意見はなかなか上がってきません。
だからこそ、これから話す内容を『実際の若手社員の気持ち』として参考にしてもらえればと思います。
1.とにかく気を遣う
「社員旅行だから無礼講!」と言っても結局若手社員は気を遣います。
道中では会話を盛り上げたり、食事の席では飲み物を注いだり...
「自分が100%楽しめない旅行になんで行かないとといけないの?」というのが社員旅行否定派の意見です。
いくらフレンドリー、アットホームな職場だったとしても気心許せる友達と同じようにはいきません。
『仕事の繋がりのある人と旅行に行く』というだけで気を遣ってしまうのです。
2.休日を潰されたくない
月曜から金曜まで働いて、ようやくの休日。
待ちに待った大型連休。
趣味に没頭したり、友人と遊んだり、ゆっくり休んだり...
「仕事を忘れてリフレッシュしたい」と思っている人は多いはずです。
その貴重な休日を丸1日、もしくは泊まりなら丸2日以上も潰す社員旅行を嫌がる人が多いのは自然なことなのかもしれません...
また、前述した通り若手社員は旅行中、気を遣いっぱなしです。
気持ち的には接待や仕事と変わらないにもかかわらず名義上は『休日』
「こんなの休日出勤みたいなものなんだから振替休日が欲しい!」と思っている人も多いようです。
3.仕事とプライベートを分けたい
1つ目2つ目の理由と通ずる部分もありますが、仕事とプライベートを明確に線引きしたいと思っている若者はかなり多いです。
『定時で即帰宅』『飲み会を断る』などが最近の若手社員の特徴として挙げられますが、これもオンオフを切り替えたいという気持ちから現れている行動かもしれませんね。
社員旅行は行うべきなのか?
ここまでの内容からなんとなく答えは分かるかも知れませんね。
結論、社員旅行は必要ありません。
なぜここまではっきり言いきれるかというと、社員旅行で得られるメリットは他の施策や制度でも得られるからです。
社員旅行で得られるメリット例
- リフレッシュ効果が期待できる
- 社内の団結力が上がる
- 福利厚生欄に記載できる
- 経費を計上できる など
リフレッシュ効果や団結力UPを狙うのであれば休日休暇制度の見直しや、日ごろの業務内での見直しの方が本質的です。
福利厚生として記載することで求人効果や企業としてのブランディングを狙うのであれば、『社員旅行否定派』の声が高まっている今、そもそも効果があるのかも怪しいところです。
とはいえ今まで行っていた社員旅行をなくすだけでは不安もあったり、浮いた経費をどう使うかも悩みの種になるでしょう。
そこで、社員旅行の代わりにどんなことをするのがオススメなのか、または旅行をどうアップデートすれば満足度が上がるのか、について話していきたいと思います。
社員旅行の代わりとしてオススメの施策
以前に下記の記事で『若手社員に喜ばれる福利厚生』についてまとめているのですが、今回は『社員旅行の代わりにオススメの施策』について話していきたいと思います。
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1.出勤日に定時内でイベントを行う
社員旅行が嫌がられるポイントとして『休日がつぶれる』『休みの日まで会社の人と会いたくない』というものがあります。
そこで休日ではなく出勤日、丸1日ではなく定時内で社内行事を行ってみてはいかがでしょうか?
『休みが社内行事になる』から『仕事が社内行事になる』にすることで社員の満足度はかなり変わります。
行事そのものへの姿勢も前向きになるでしょうし、「従業員の気持ちを汲んでそういう対応をしてくれている」という姿勢に対して社員の満足度や評価も高まるでしょう。
2.ちょっとしたプレゼントや催しを小出しで行う
社員旅行は年に1・2回行われるのが一般的です。
かかる費用も大きく、一大行事として捉えている会社も多いのではないでしょうか。
ですが、そんな膨大な費用をかけた一大行事が従業員からは歓迎されていないというのは悲しい事実です。
であれば、大それた準備をして旅行を計画するよりも、月に1度高級なランチをごちそうしたり、仕事で使う備品をプレゼントしてみたり、そういったちょっとしたサプライズを定期的に行う方が従業員満足度は高まるのではないでしょうか。
時間を拘束するということは思っている以上にストレスを与えていることもあります。
それよりもちょっとしたサプライズを小出しで与える方が、お互いストレスなく良い関係性を築けるでしょう。
従業員へのプレゼント例
- 文房具
- PC周辺機器
- お菓子や食品
- 商品券や金券
- 施設の利用券 など
3.日々の業務が効率化するサービスを導入する
年に1.2回の旅行よりも毎日の仕事が少しでも楽になる方が従業員の満足度は高まるでしょう。
社員旅行反対派の意見として「こんなことに経費使うなら〇〇を先に何とかしてよ...」という声が上がるのもあるあるです。
最近では日々の様々な業務を外注化できるサービスも増えており、安価なものも多いです。
月数万円でちょっとした雑務を外注できるとしたら、『従業員満足』だけでなく『業務の効率化』まで叶えられるのではないでしょうか。
\ 月額約3万円~ /
※『任意参加にする』はNGです!
確かに旅行に行きたい人も行きたくない人も希望に沿った形をとれて一見Win-Winに感じますが、実際そうはいきません。
旅行に行った人、行かなかった人でコミュニティが分かれてしまいますし、どうしても温度感に差が出ます。
行かなかった人に対する補填も考える必要がありますし、任意と言いつつ「行かないとまずいよな...」という気持ちで参加する人もいるでしょう。
一見見希望に寄り添った形のように見えますが、選べるからこそ様々な憶測やケアするべき事柄が生まれてきます。
結局のところ、『行くなら全員で行く』もしくは『完全に取りやめる』の二択から選ぶのがオススメです。
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まとめ
ここ数年、ネット上では社員旅行の扱いについては熱い議論が交わされています。
ですが実際に従業員からリアルな声を聞くのって難しいですよね。
上司から「社員旅行についてどう思う?」と言われても、部下は「行きたくないです」とは言いづらいでしょう。
僕は仕事柄、何十社という企業、何百人という転職希望者と関わってきました。
その中で社員旅行について、各立場からの捉え方や感じ方などのリアルな声も聞いています。
今回の記事では、これまで僕が聞いてきた『社員旅行に対するリアルな想い』をまとめてみました。
今、「社員旅行どうしようかな...?」と悩んでいる企業の担当者の方がいらっしゃれば、この記事を参考にしていただければ幸いです。
また、企業の採用課題解決に向けた記事を他にも投稿していますので、この記事を読んでくださっている方にオススメのものをいくつか載せておくので、よかったら覗いてみてくださいね。
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